会長挨拶
全日本学生柔道連盟は、高等教育における柔道活動を通して、全人的な教育を行うとともに、それに携わる人材の育成において中核をなす組織であります。 柔道の創始者である嘉納治五郎師範は、柔道は教育であることを強調され、「精力善用・自他共栄」という根本原則を示されております。これは柔道を行う者がそれを通して自立し、そして他を助ける力を養うことであり、肉体面のみならず、精神面での成長がいかに大切であるかを常に問うものであります。 いつの時代にも、人が人として生きるにはどうすべきか、この難しい問題に人は直面するわけでありますが、嘉納先生が示されたことは、この問いに対して思考するという学問的プロセスを、柔道を通じて誘発し、高いレベルでその答えに近づくことを促すものであろうかと思います。 本連盟は今まで以上に、柔道の様々な伝統を尊重する一方で、申し上げたような根本原則に基づいて新たな伝統を構築し、有為なる人材の育成に尽力するものであります。このことは、各競技会や研修会などの諸事業を積極的かつ柔軟に展開し、また殊に昨今求められている国際的な視点を涵養する活動を行うことで実現して参りたいと考えております。 これらの活動を行うにあたりましては、携わる皆様のご賛同と力強いご支援ご協力が不可欠でございますので、折に触れご厚情を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。 一般社団法人 全日本学生柔道連盟 会長 冲永 佳史 |